AI AI活用 ビジネススキル ライティング

AIで"指示の先"へ行くために

2025年12月6日

―求人文章づくりの事例から考える、次世代のAI活用思考法―

近年、生成AIを取り巻く環境は急速に変化し、私たちの仕事における AI の存在感はますます大きくなっています。
ただし、ここで一つ大切なことがあります。

「AIは使うこと自体には価値がない」 ということです。

多くの人は、AIに指示を出し、結果を受け取る——その一連の流れを"AI活用"だと捉えています。しかし私は普段から、企業や士業の方々に向けてこう提案しています。

「AIに"ただ答えを作らせる"のではなく、
AIを使って"次に何をすべきか"を考えられるようになっていただきたい」

言い換えると、AIを「便利な道具」で止めるのではなく、「成果を最大化するための知的拡張パートナー」として扱う視点が必要なのです。

この記事では、実際にあった 転職エージェント向け求人文章の改善相談 を例に、「AIに指示を出す、その先」に進むための思考法を分かりやすく解説します。
最後まで読めば、あなたのAI活用は確実に一段レベルアップします。


■ AI活用の本質は「入力の質」にある

AIを使う人の多くが誤解していることがあります。

それは、
AIの性能がアウトプットの質を決めている と信じてしまうことです。

実際は逆で、
アウトプットの質は、"入力の質"でほぼ決まります。

どんなに優れたAIを使っても、質問が曖昧であれば曖昧な答えしか返ってきません。これはもう絶対法則と言っていいでしょう。


■ 求人文章を「ただ作らせる」のは、AIの力の1割しか使えていない

あるクライアントから、こんな相談をいただきました。

「転職エージェント各社に掲載する求人文章を、AIで作りたい」

一見するとよくある依頼です。
多くの人はここで、
「では求人広告の文章を生成しますね」
となるでしょう。

しかし私は、こう考えました。


■ 目的="どこへ行きたいか"を考え直す

ここで、車の例え話をしてみます。

東京から大阪まで移動するとします。
軽自動車でも、大型バスでも、乗用車でも移動は可能です。
しかし、車を選ぶ前にまず考えるべきことがあります。

  • 荷物を1トン運びたいのか
  • 30人を運びたいのか
  • とにかく快適に移動したいのか

…これらの「目的」によって、使うべき車はまるで違います。

同じように、AIに文章を作らせる場合も、
「何を達成したいのか」
「誰に届けたいのか」
「どの媒体で効果を出したいのか」
という目的設計が必要なのです。


■ マイナビとリクナビでは"刺さる文章"が違う

転職エージェント各社には、それぞれ特徴があります。

  • マイナビ:20代・第二新卒の流入が強い。成長環境や未経験歓迎が刺さる。
  • リクナビ:ビジネス経験者や幅広い年代。待遇の詳細や職場環境の明確さが重視される。
  • エン転職:企業文化や社内の雰囲気に価値を感じる層が多い。
  • doda:転職者の比較検討が激しいため、他社優位性が重要。

つまり、
同じ求人内容でも、各エージェントごとに"書くべきポイント"が変わる。

ここを理解せずに「求人文を作って」とAIに頼んでも、最大の効果は得られません。


■ 本当にAIに頼むべきは「文章」ではなく "戦略" だ

私がクライアントに提案したのは、文章生成そのものではありません。

まず AI に次の質問を投げます。

「マイナビで効果を最大化する求人文章の要点を教えてください」

すると、
この媒体特有の訴求ポイント、読者層、重視されるワードなどが整理されます。

次に問いを重ねます。

  • 「この企業の強みが、マイナビの読者にどう響くか分析して」
  • 「同業他社との差別化ポイントを抽出して」
  • 「応募者を増やすための構成案を3案つくって」

このように"文章生成より前の、戦略の部分"をAIに担わせるのです。

すると、
・媒体ごとの最適な構成
・見出し案
・差別化案
・キャッチコピー案
など、骨格が圧倒的に強い求人文が作れるようになります。


■ 最終的な文章だけAIに作らせるのは、もったいなさすぎる

AIに最終稿だけを作らせるのは、
例えるなら、

「大阪に荷物を届けたいのに、とりあえず車を選んで出発する」
ようなものです。

重要なのは、

  • 目的(どんな人材を獲得したいのか)
  • 読者層(媒体別の傾向)
  • 差別化ポイント
  • 応募を後押しする心理導線
  • ペルソナごとの響く表現

これらを"AIを使って考えること"です。

そうすることで、
AIの力を10倍、100倍と引き出せるようになります。


■ 読者の皆さんへ:ここからAIは"質問力の時代"に入ります

AIの能力は年々向上しますが、
「質問力」と「目的設計力」だけは、人間にしかできない領域です。

AIは、
こちらが投げた問いの「枠組み」からは絶対に出ません。

だからこそ、多くの人が気づいていない次のステップがあります。

AIに"答え"ではなく、"考えるための材料"を出させる。

これこそが、
次世代の仕事人に求められる AI 活用の本質です。


■ 最後に:AIで成果を出すために、今日からできる行動

この記事を読んでくださった方に、
明日から実践できる3つのアクションをお伝えします。

  1. AIに結果を作らせる前に、「目的」を必ず言語化する
  2. 媒体・ユーザー属性ごとに"刺さる要素"をAIに分析させる
  3. 「文章作って」ではなく「戦略を考えて」と投げかける

これだけで、あなたのAI活用は劇的に変わります。


AIの力は、使う側の思考によって何倍にも膨らみます。
「ただ便利に使う」段階を抜け出し、
「成果のためにAIと一緒に考える」ステージへ進むことで、
あなたの仕事は間違いなく進化します。

この記事が、皆さんの新しい一歩のヒントになれば幸いです。


【私のサポートが必要ですか?】

もし、この「目的思考のプロンプト作成」や「AIを使った業務プロセスの再設計」について、
「自分の業務ならどう当てはめればいい?」
「具体的にどんなプロンプトを書けばいい?」
と疑問に思われましたら、ぜひ具体的なシチュエーションを教えてください。一緒に最適な「車種」と「ルート」を考えさせていただきます。

Cosmico 代表:熊谷
h.kumagaya@cosmicoai.com